くずみーのくずかご

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ギター編episode0

★ギターを始めたきっかけ

 最初にギターを触った時のことはもうよく覚えていないが7~8年前だったように思う。ギターを弾ける人をかっこいいと思わない人はいないように(ギターが1番かっこいいと思う人も、ギター以上にかっこいいと思うものがある人もいる)、僕もその1人だった。たぶんギターの演奏動画か何かを見たのであろう僕の中に「ギターを弾けるようになりたい!」という気持ちが沸き上がってきた。しかし、やり始めて挫折するモノの代表といっても過言ではないギターに高い金をかけてチャレンジするのは、当時学生であった僕には非常にハードルが高かった。なにせ僕は音楽オタクでもギタリスト崇拝マンでもなんでもなく、ただのギター弾きに憧れるだけの人だったからだ。しかも努力が苦手で諦めが早いときたら、数日でギターは部屋のインテリアになるだろうという予想が立っていた。たとえ格安ギターに手を出したとしても、インテリアに1万近くかけるのは躊躇われた。中学生の頃、友人がエレキギター入門セットを1万円強で購入し、エレキ本体やアンプ等を一式揃えたのを見せてもらった後、全くギターの話題を聞かなくなったことも躊躇の一因となった。加えて、僕はピアノの演奏も好きであったが、めちゃくちゃ練習するわけでもなく大して弾けるようになっていなかったので自分の努力力(どりょくりょく)を1ミリも信頼していなかった。

 そこで僕は思いついた。「挫折してギターを触らなくなる人が多くいるなら、その人からギターを借りればいいじゃん」と。挫折者はもうきっとしばらくはギターを触らないだろう。そこで僕がそのギターを借りてギター練習を体験してみて、続くようなら自分のギターを買えばいいし、挫折したらしたで別にリスクはないのではないか。

 僕の目論見は的中し、友人からエレキギターを借り受けることになった。普通のアパートで一人暮らしをしていた僕にとって、大きな音が出ないエレキギターは練習に最適なシロモノだった。

 

★ギター練習編

 僕がギターでやりたいことと言えば、専らコード弾きだった。何かの集まりでギターを取り出してコードをじゃかじゃか鳴らしてみんなで楽しく歌ったり、ソロでポロポロと弾き語ったりしたいというのが、僕の理想のギターだった。なので練習には簡単なコードの曲をとりあえず弾いてみるというところに終始した。クズ人間なので、「基礎練習は面白くないからやりたくない」という思想のもと、知っている曲かつFコード等の難しそうなコードが出てこない曲を探しては弾いてみるということを繰り返した。ネットでコードのサイトを検索し、コードの名前をクリックすると押さえ方が出てくるようなサイトで練習を繰り返した(今は最初から押さえ方が表示されているサイトがある)。当時は確かポルノグラフィティの「サボテン」とかを練習していたと思う。

 しかしコードの難しさにはどうしても引っかかる。スピッツの「チェリー」がギター弾き語りの上達第1歩のような扱いを受けている(一昔前のモンハン初心者のイャンクック討伐くらい?)のでチャレンジしてみるも、Fコードが1音も鳴らなかったり、コードチェンジが遅すぎてリズムも何もあったもんじゃなかったりと大変だった。それでも和音がなるのが楽しいということである程度続けていたが、コードの上達があまりなかったことで引ける曲のバリエーションが増えず、次第に飽きてきてしまい、だんだんとギターを触る頻度は落ちていった。やっぱりこうなるか。ギター買わなくてよかった。そう感じることもあった。

 ギターを弾きたい願望には波がある。ギターを全く触らなくなってからしばらく経って、僕はまた部屋の隅からギターを持ってきた。しばらくやったり、またしばらくやめたり、そんなことを繰り返していた。きっかけは覚えていないが、おそらくニコニコ動画か何かでギターの演奏動画を見たのだろう。弾きたくなって、弾きたいだけ弾いて、やる気がなくなってきたらやめて、また弾きたくなったら弾く。そんなことを繰り返していた(このギターをやめている期間というのはかなり長いものだった)。手を付けなくなるだけで、ギターのことは嫌いになっていなかった。それは、リスクを取らず借り物を使ったことで、「せっかく金出して新しいことを始めたのに挫折してやらなくなった自分」を自覚せずに済んだからかもしれない。まぁ、自分のギターを買うことで愛着が出るので辞めずに続けられたかもしれないよ、と言われると反論はできない。

 ギターを触らなくなってかなりの期間が経った。僕は社会人になり、色々な趣味に勤しんでいた。ギターへの憧れはまだふんわりとあった。そんな中、職場の主婦が「ギターの練習始めたから弾けるようになったらボーカルやって!」と言ってきた。大した歌は歌えないが楽しそうだったので快諾した。この人がギター始めたなら自分もまた弾いてみようかな、と思い、僕はまたギターの練習を再開した。もう何度目かわからないスタートだ。これが確か3~4か月前、今年の6月頃だったかと思う。

 改めて練習し始めてみるとやはり楽しい。和音がある程度鳴る。難しいコードが抑えられないことについても耐性ができており、無視したり、簡易的な押さえ方を調べて使ったりできるようになっていた(昔は「絶対ちゃんとしたコードじゃないとやだ!」となっていた)。

 最近では、既に生活リズムが出来上がっており(仕事→趣味→食事→趣味→睡眠)、かなりの時間を趣味に費やしているので、そこにギター練習を入れるとなると、寝る前程度だった。睡眠時間もしっかりほしいので寝る前のわずかな時間のみの練習となった。

 上記のような、精神的な成長や生活リズムの固定による習慣化、加えてこれまでカバーガラスのように蓄積してきた演奏技術などの要因で、練習はこれまでよりも長く続いた。

 思ったよりしっかりと練習が続けられていることによってやる気も出てきた。そのさなか、いきものがかりの「真夏のエレジー」のコードを探しているときにyoutubeでその演奏動画が出てきたため、何気なく見てみた。

 

https://www.youtube.com/watch?v=m4FG2ImCRHs

 

かぁ……っこいい…

とため息が漏れた。ギターできる人から見たらまた違う感想なのかもしれないけれど、僕は心を打たれた。ここで初めて明確な目標ができた。この曲をできるようになろう。真夏が終わるまでに、真夏のエレジーを弾けるようになろう!!そして、きれいに1曲弾けるようになったら自分のギターを買おう!!!

 そこから、ギターに対するモチベーションが上がってきた。1曲集中でやるときっと嫌になってしまうので、色々な簡単そうな曲を見つけてはブックマークし、ギターを取り出すたびに弾いた。Uフレットというサイトは非常に初心者に優しく、自動的に演奏しやすい調(Amの調?)に移調してくれるのだ。おかげで、適当に好きな曲を練習しているだけで、一般的に基本的なコードと呼ばれることが多い(ような気がする)「A、Am、Am7、Bm、C、D、Dm、E、Em、E7、F、G、G7」らへんは一通り覚えられた(どこまでが基本的なコードかはよくわかっていない)。どの曲を弾いてもだいたい同じようなコードが出てくるので、次第に「押さえ方をイメージ→実際に押さえる」のスピードが早くなっていき、ミュートしまくっていることに目をつむればリズムに乗って歌うことができるようになってきた。苦労していたFコードをはじめとするバレーコードについてもかなり上達が見えてきた(当社比)。

フォークソングを歌えるバーの店長に「Fコードができないんです」と訊いたことがあった。店長は「それなら最初は無視することです。やってれば自然にFコードの方から来てくれますよ」と教えてくれた。そして今、Fコードは少しだけこちらに顔を見せるようになってきた。

気まぐれにFコードを押さえてみると、きれいな音が鳴り、自分で驚く。それを皮切りに、BmやGm等他のバレーコードも何となくこちらに顔を見せるようになってきた。

「弾けないけど楽しい」と思っていたが、だんだん「弾けるようになってきて楽しい」に変わってきた。この辺りからだんだんとギター欲しい欲が高まってきた。しかしまだちゃんと弾けないし、買っても家で練習するときにアコギだと大きな音が鳴るし、エレキだと現状のものと使い分けができないし…などという考えが巡り、ギター購入欲の波は押しては引いてを繰り返した。

次第に、「買うならどんなものを買おう」「どういうことに気を付ければいいのか」「最初の1本の選び方」などを調べるようになってきた。ギターの選び方を見れば見るほど自分のギターを選びたくなってくる。ギターについて調べる頻度は増していき、ふらりと音楽ショップに寄るようになってきた。実物のギターを見るとますます欲しくなり、しかし値札を見て、気軽には買えないなと思っていた。そう、この時までは……

 

購入編に続く…